11月17日(火)、横浜市は「横浜イノベーションIR協議会」を初めて開催しました。

横浜イノベーションIR協議会は、IR整備法第十二条が定める協議会です。
IR実施方針の策定や事業者選定、整備計画などの各段階で協議を行い、地域内の十分な合意形成を図ることを目的として設置されました。

17日に開催された第1回の協議会では、横浜市がIR実施方針および募集要項を説明した後、具体的な議論が交わされました。

林市長はIR推進を主張、黒岩知事は横浜市との連携を明言

協議会の出席者は、横浜市・林文子市長、神奈川県・黒岩祐治知事の他、横浜市立大学・相原道子学長、横浜市町内会連合会・磯﨑保和会長、横浜商工会議所・上野孝会頭、神奈川県公安委員会・大崎哲郎委員長の計6名です。

議長を務めた林市長は、横浜IRの方向性に関してや、国のIR基本方針案の修正に基づくスケジュール変更について説明を行いました。
現時点では、募集要項などの具体的な内容は非公開となっています。

市長は中長期における財政の見通しが厳しい状況を主張した上で、「横浜の将来的な成長のため、十分な合意形成のもとでIRに取り組んでいきたい」と話しています。

この説明を受け黒岩知事は、横浜市のIR方針に協力していく姿勢を示しました。
特に「ギャンブル依存症などの懸念材料については、不安を払拭するために県と市で連携しながら取り組んでいく」と話しています。

横浜港ハーバーリゾート協会は構想案修正を発表。カジノ反対を堅持

神奈川県と横浜市がIR推進の動きを進める一方で、反対派の横浜港ハーバーリゾート協会(YHR)は、依然としてIR誘致反対の声を表明しています。
11月13日(金)、YHRは拡大委員会を開催し、候補地である山下ふ頭の新たな再開発構想案を発表しました。

YHRの藤木幸夫会長は、「新型コロナウイルスの影響で海外のカジノ事業者が赤字となっており、IR誘致による経済効果は見込めない。IRを推進する根拠は全滅した」と主張しました。

新たな構想案では、「国際展示場、ホテル、コンサート会場などの感染症対策徹底」、「物流機能を生かした給食施設の整備」を計画し、あくまでも「カジノを含まないリゾート」を目指す姿勢が示されています。

YHRが前回2019年7月に発表した構想案の内容は、「F1・展示場・ディズニークルーズを中心とするカジノを含まないリゾート」でした。
今回の構想案ではF1とディズニークルーズが削除され、新たに「横浜市内の公立中学校向けの給食施設整備が」候補として加わった形となります。

依然として反対の声が強まっている横浜市のIR誘致。
市は今後、追加でRFC(IRのコンセプト募集)を実施し、IRによる経済効果の精査およびIRスケジュールの再調整を行っていく予定です。
一方でYHRは、引き続きカジノを含まない山下ふ頭再開発・運営の主導を目指していく旨を主張。
対立している両者の今後の動きがますます注目されます。

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