11月6日、和歌山県はIRに関する実施方針案、RFP(事業者公募)募集要項、優先権者(IR事業予定者)選定基準などの修正版を発表しました。

10月9日にパブリックコメントが発表された、国の新たな基本方針案に準じた修正となります。
修正版では、旧IR実施方針案をベースとした上で国の追加要請事項が追記された他、新たなスケジュール設定が行われています。

より安全性重視のIR方針案へ修正。新型コロナの影響も加味

和歌山県の新たなIR実施方針案では、よりIR事業に関する信頼性や安全性を重視した内容に修正されました。
また、昨今の新型コロナウイルス感染症の発生状況を踏まえ、感染症対策や健康・衛生面への取り組みを強化する旨が追記されています。

さらに、国がIR区域認定の申請受付開始を9ヶ月延期したことに伴い、以下の通りスケジュールの変更が発表されました。

  • 提案審査書類等の提出期限:2020年10月19日→2021年1月15日に延期
  • 優先権者(IR事業予定者)の選定:2021年1月頃→2021年春頃に延期
  • IR開業予定:2024年度中→2026年春頃に延期

スケジュールの変更により、和歌山県が当初目指していた、大阪万博(2025年予定)前のIR開業は間に合わない形となりました。

和歌山県IR-これまでの経緯

和歌山県は2024年のIR開業を目標とし、2018年5月にIR基本構想を発表しました。
大阪や横浜が「都市型IR」をコンセプトとして掲げているのに対し、和歌山県のコンセプトは「リゾート型IR」。
多種多様な観光資源(自然・食・温泉など)と、国際空港からのアクセスの良さを活かしたIR事業を目指します。
海外で言うと、ゴールドコースト(オーストラリア)・パラニャーケ(フィリピン)・セントーサ島(シンガポール)などのIR事業が「リゾート型IR」のモデルとなっています。

IR候補地としては、当初「和歌山マリーナシティ」「コスモパーク加太」「旧南紀白浜空港跡地」の3ヶ所が挙がっていましたが、事業者の関心が集中した和歌山マリーナシティに一本化されました。

その後IRに関する取り組みを積極的に続け、2020年2月にIR実施方針案を発表しています。
3月にはRFPを開始し、新型コロナウイルス感染症による影響が懸念される中、当初の予定通り大阪万博前のIR開業を目指していました。
5月にはRFPの審査を行い、審査通過者として「クレアベストベンチャーズ」と「サンシティグループホールディングスジャパン」の2者を公表しています。
その後11月中旬には事業者選定が行われる予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響ならびに、今回の国のIR基本方針案変更に伴い状況が一変。各スケジュールの変更に至りました。

和歌山県は2020年2月にIR実施方針案を、3月にRFP募集要項(6月に一部修正)を公表しており、今回の修正版が最終確定となる予定です。

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