大阪万博・IRに向け、JR新線開業や海上交通整備などのインフラ開発が進む

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大阪・関西万博やIRに向けて、関西の鉄道会社・空港会社などが交通ネットワークの拡大を進めています。

現在ではJR西日本による新線「なにわ筋線」の開業計画のほか、観光地と夢洲を結ぶ海上交通の整備などが進行しています。

JRは新駅・新線の開業で南北から主要駅へのアクセスを向上

JR西日本は2024年3月18日、大阪駅北側に地下新駅を開業します。

この新駅は大阪駅の西側と改札内の連絡通路で結ばれており、これまで大阪駅に停車しなかった関西国際空港方面や和歌山方面の特急も停車。
到達時間は大阪~関空間で20分、大阪~和歌山間で33分短縮されることになります。

2031年には、JR西日本と南海電鉄が共同で運航する新線「なにわ筋線」も開業予定。
JR難波駅から南海新今宮駅を結び、沿線には大阪駅(地下新駅)・中之島駅・西本町駅・南海難波駅が設置されることで、府内南北間の混雑緩和や関空・新大阪駅へのアクセス強化を目指します。

また、京阪電鉄は万博へ対応するため中之島駅周辺に夢洲へのシャトルバス発着所の設置を計画。
京阪バスで来場者を効率的に輸送する体制を整えています。

IR誘致が決まれば中之島から夢洲方面の延伸も検討するとしていますが、京阪ホールディングスの石丸昌弘社長は「国際会議や展示会を運営するMICE施設が予定より小規模になるため、IRがどのようなものになるかしっかりと見極めたい」と話しています。

夢洲と観光地を結ぶ海上交通はIRも見据えて運航予定

海上交通網の整備としては、産業・家庭用ガス専門商社である岩谷産業と関西電力が万博に向けて開発していた水素燃料電池船の運営体制を固めました。

この水素燃料船は、万博会場となる夢洲とユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、天保山の間を結ぶルートを想定。
時速20㎞ほどで運航し、天保山-夢洲間は20分程度、USJ-夢洲間は25分程度で繋ぐ予定となっています。

岩谷産業はIR誘致も見据え、夢洲とUSJ・海遊館などの観光エリアを結ぶルートとして万博後も運航を続けたいとしています。

水素燃料船の運航を担う近鉄グループも自社が所有するフェリーやレジャー船運航のノウハウを生かし、今後はIRに向け関空と夢洲を結ぶ船などの検討を進める方針です。

大阪市は2024年2月、新年度当初予算案としてIR建設予定地である夢洲のインフラ整備費用70億2,100万円を計上しています。
しかし、国による区域認定審査が長引いていることから、開業予定や工事計画などの遅れも懸念されています。

今後は、国の審査結果による各交通事業者の動向などにも注視が必要となります。

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