長崎IRをめぐり初の住民訴訟、大阪ではIR反対団体が国へ要望書を提出へ

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長崎IRの認定審査に対応するコンサルタント費用をめぐり、市民団体が支出の中止を求めて提訴したことがわかりました。

長崎IRに関する訴訟はこれが初めてとみられています。

また、大阪府でも2022年6月に発足した市民団体が、大阪IRの区域整備計画を認定しないよう国へ要望書を提出しました。

認定審査に対応するコンサル料は違法として、長崎IRをめぐる初の訴訟

今回、住民訴訟を起こしたのは市民団体「ストップ・カジノ!長崎県民ネットワーク」の有志8名。

団体のメンバーらは「長崎IRに出融資の意思を示すコミットメントレターは企業名が非公開であることから、国が求める資料に該当しない」として、「認定される可能性が低いのに、認定審査のためにコンサルタント業者へ支払いをすることは違法である」と指摘。

約1億1千万円となるコンサルタント料の支出停止や、コミットメントレターの開示などを求めて6月に住民監査請求を行なっていました。

しかし、県の監査委員は「コミットメントレターはIR事業者や資金提供者の了承がなければ公表できない」としながらも、「専門家が内容を確認したうえで『客観的な資料として提出された』と判断しており、コンサルタント業者への業務委託は適正」として8月に監査請求を棄却。

また、団体側は監査委員を務める県議がIRに賛成していることから外部監査を求めていましたが、「必要ない」として通常の委員で監査が行われたことも明らかになっています。

団体メンバーらはこの結果を不服とし、大石賢吾知事にコンサルタント費用の支出差し止めを求めて9月13日に長崎地裁へ提訴しました。

大阪では市民団体が新たにIR計画を認定しないよう国へ要望書を提出

一方、大阪でも市民団体「NO!大阪・IRカジノ」が、9月8日に大阪IRの区域整備計画を認定しないよう国土交通省へ要望書を提出しました。

「NO!大阪・IRカジノ」は、元大阪市議や元大阪副知事らを呼び掛け人として6月に発足。

「大阪IRの経済効果には疑問があり、地元住民との合意形成も不十分である」と訴え、企業や団体を中心にIR反対への賛同を募っていました。

8日には要望書と合わせて、約150団体と約400人分の賛同書も提出しています。

大阪府下では、ほかにも立憲民主党や住民投票条例案の否決を受けた市民団体などが、区域認定を行わないよう国への要請を実施。

さらに別の市民団体が、土壌対策費用をめぐり事業者との契約差し止めを求める訴えを大阪地裁に起こすなど、根強い反対活動が続いています。

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