和歌山IR 融資・出資企業が明らかになるも議会からは懸念の声

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和歌山県が誘致を進めているIRについて、3月17日に県議会IR特別委員会が開かれました。

この日は、事業者であるクレアベストニームベンチャーズのマリオ・ホー代表取締役がオンラインで参加。

不明瞭と指摘されてきた、資金調達方法や出資企業について明らかにしました。

初期投資額は外資系企業が融資・出資予定 一部企業名も公表

和歌山IRでは初期投資額となる約4,700億円のうち約3,250億円を、スイスの大手金融企業であるクレディ・スイスを中心とした機関から借り入れるとしていました。

17日の特別委員会でホー氏は借り入れ先について、アメリカの投資銀行キャンター・フィッツジェラルド社や韓国の投資会社ハンファインベストメント&セキュリティーズなど、4社の外資系金融機関から融資の基本合意書を得ていると発表。

初期投資額の残り約1,450億円に関しても、うち40%を負担する少数株主として、西松建設のほか外資系会社8社から基本合意書が提出されていると説明しました。

少数株主が出資する約1,450億円の40%にあたる金額にはすでに達しており、今後は配分の見直しなども行うとしています。

県は「確実性が高まった」とするも、議会は融資・出資企業を不安視

特別委員会ではこの資金調達計画に対し、「クレディ・スイスからコミットメントレター(融資の確約書)を取得しなくても大丈夫か」といった懸念の声が上がりました。

これについてホー氏は「コミットメントレターはIR事業が認可されたあとに取得する。国際的にはコミットメントレターを得ずに手続きが進めるのが一般的であり、約束上だけでも国への申請は通ると考えている」と回答。

さらにホー氏は県議員からの「もっと日本の企業を入れるべきだ」という指摘について、「スケジュールの都合で今回は公表できなかったが、国内銀行からの融資も交渉中であり、少数株主として地元企業に参加してもらうことも目指している」と述べました。

3月22日には和歌山市議会のIR対策特別委員会で区域整備計画案の審議が行われましたが、出席した委員からは外資系企業の信用性や出資の確実性について不安視する意見が続出。

県は「背面調査によるくわしい裏取りはしていない」と認めながらも、「100点満点ではないが国に提案できる内容だと思っている」と答えました。

仁坂吉伸和歌山県知事も「資金計画の確実性は高まっている」と自信を覗かせましたが、この日に提出された出資者情報には売上高や金額の単位に相違があったため、委員会は県に対し資料の作り直しを求めています。

今後、和歌山市は臨時市議会を開き、IR誘致に市として同意するのかを決定する見込みです。

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