IR整備法 事業者の免許取得や依存症対策を定めた条項が施行

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7月13日、政府は特定複合観光施設区域(IR)整備法のうち、カジノ規制にあたる条項を7月19日に全面施行すると閣議決定しました。
今回施行されるのは、国内でのカジノ解禁とギャンブル依存症対策などについて定めた条項になります。

カジノ解禁にともなうIR事業者に関する規制

新たに施行されるIR整備法第39条では、IR事業者は国のカジノ管理委員会による免許を受けた場合のみカジノ事業を行うことができ、その場合はゲームで金銭を賭けても刑法の賭博罪は適用しないとされています。

IR事業者には業務方法書・カジノ施設利用約款・依存防止規程・犯罪収益移転防止規程の作成が義務付けられており、免許申請時にはカジノ管理委員会によって審査が行われますが、内容を変更する場合も再度カジノ管理委員会の承認を受けなければいけません。

免許の有効期間も3年間とされており、引き続き事業を継続する場合は更新が必要となります。

また、カジノ関連機器メーカーや主要株主、施設土地権利者、カジノ施設供用事業者といったカジノ事業関係者についても、背面調査を行ったうえで免許・許可・認可制とするなどの参入規制が設けられます。

依存症対策など入場者に関する規制

第39条と共に施行されるIR整備法第69条では、ギャンブル依存症対策として、日本人および国内居住の外国人に7日間で3回、28日間で10回の入場回数制限が定められています。

入場回数超過者のほか、本人や家族から利用制限の申告があった者や20歳未満の者、暴力団関係者などの入場も禁止するため、入場回数や本人確認としてマイナンバーカードが用いられる方針となっています。

IR事業者には、このような「施設の利用が不適切と判断される者」を入場させてはならない義務が課せられるので、入場禁止対象者の発見や退去させるために必要な措置についてもカジノ管理委員会の審査を受けなければいけません。

これらの条項から、IR事業は公正性や透明性、安全性を確保するために、かなり厳格な基準のもとで運営されていくことがうかがえます。

現在、和歌山県がすでに優先権者候補を選定、長崎県・横浜市・大阪府と大阪市が事業者審査を進めており、3都市とも今夏~秋には事業予定者を決定する見込みです。
その後は来年4月までの区域整備計画の認定申請を経て、最大3カ所が選ばれる予定となっていますが、今回の政令施行もあいまって日本のIR事業の大きな前進が期待されます。

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